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【東日本大震災 今何ができる】被災地のアスベスト
[2011年05月24日]
【東日本大震災 今何ができる】被災地のアスベスト産経新聞 5月24日(火)7時55分配信 ■解体現場やがれき近く 防塵マスク着用が必要
東日本大震災で、被災地のがれきや解体現場などに含まれているアスベスト(石綿)による健康被害の危険が指摘されている。吸い込むと、数十年後に中皮腫などの深刻な健康被害をもたらす可能性がある。ボランティアなどで被災地を訪れる際は、マスクを正しく着用し、解体現場などにはなるべく近づかないことが肝心だ。(道丸摩耶) ◆ボランティアも 「被災地で、がれきの中を母親を捜して歩く子供を見かけた。マスクはしていたが防塵(ぼうじん)用ではなく、これでは心配だと思いました」と語るのは、「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」(東京都江東区)の永倉冬史(ふゆし)事務局長だ。 永倉さんは、東京労働安全衛生センター(同)とともに3月下旬から数回にわたり被災地を訪れ、現地にアスベストが飛散していないかを調査した。 「仙台市や宮城県南三陸町、岩手県陸前高田市、釜石市などに行きましたが、いずれもアスベストを含む可能性のある建材が散乱していました」 一部を分析した結果、アスベストを含んでいないものが大半だったが、永倉さんは「現場ではアスベストかどうか調査せず、解体・撤去作業を進めることもある。アスベストの可能性があると考えて対策を取らないといけない」と警鐘を鳴らす。 自宅の解体作業を住民や自治体職員が見守る例も多く、がれきの中、物を探すボランティアもいる。自衛隊や警察、消防、業者など解体やがれき処理などの作業に携わる人だけでなく、住民やボランティアで被災地に入る人たちも注意しなければならない。 ◆現時点では通常値 被災地には、いまだに海水が流れ込んだままの場所もあるが、今後、乾燥が続けば、アスベストは大気中に飛散する危険が高まる。環境省大気環境課は「アスベストなどの粉塵を防ぐためには、防塵マスクが有効。3月下旬に厚生労働大臣の検定を受けるなどした3種類の使い捨て防塵マスクの増産を要請した」と話す。 11日には、環境省と厚生労働省が専門家を招いた対策会議を開催。過去の震災でのアスベストの大気濃度などが報告された。今回の震災で環境省が行った予備調査では、通常値を大きく超えた地点はなかった。しかし、アスベストが含まれる危険が高いビルなどの解体現場のほか、船舶の解体作業でもアスベストが飛散する危険は高い。 「船は通常は陸地にあがらないため危険ではないが、今回は陸で解体せざるを得ない船も多いだろう」(環境省) 同省やアスベストセンターでは、被災地に防塵マスクを配布し、着用を呼びかけている。また、アスベストセンターは今後、被災地の小学校で児童に着用方法などを教える計画だ。ただ、幼児用の防塵マスクはないため、正しく着用してもアスベストを吸い込む危険はあるという。 現地を訪れる際は、解体作業などには携わらないとともに、そうした現場に近づかないこと。何より、アスベストの飛散の危険がある場所では、防塵マスクで自衛することが必要だ。 ◇ 【用語解説】アスベスト(石綿) 天然の繊維状のケイ酸塩鉱物で、耐熱性に優れることから、断熱材や防音材などとして使われていた(現在は原則として製造中止)。繊維が細かいため飛散しやすく、長期間、大量のアスベストを吸い込むと、数十年の後に肺線維症(塵肺)や悪性中皮腫になる危険が高い。阪神大震災(平成7年)では、ビル解体時にアスベスト濃度が上がった例もあり、アスベストが含まれる建物の解体時には水をまくなどの対策が必要とされる。 |




